亡くなった人が降りてきているとおもうのは、おこがましいですか

失礼ながら、彼女の訃報により彼女を知った。彼女を慕う作家さんが投稿していたのを見たからだ。「そんな人がいたんだ」と、その時は軽く思っただけだった。   去年の11月。ちょうど私は出産後1ヶ月で精神的にも体力的にもブルーの真っ只中だった。人の話どころではなく、流れていく情報のひとつに過ぎなかった。ただ、その作家さんが旅行先で訃報を知り、チェックアウトの時間なのに崩れるようにホテルの部屋に座 […]

あなたみたいな人になりたい。うっかり送信メールが夢に変わるまで。

出会いは偶然だった。暇つぶしに見ていたフェイスブックのタイムラインに出てきた。     たしか、「働く女性を応援します」とか、そんなメッセージだった。仕事の休憩中で、ぼんやり、たぶんだるそうにスマホを見ていた。大学時代の友達から話があると持ちかけられていて、めんどくさいけど返事しないとなと思っていた。返事をするのがイヤだったからなのか、本当にピンときたのか、スクロールする親指が […]

がめつく生きろってなんだよ。20年前の先生に言いたいことがある。

「がめつくなれよ、もっと」   はぁ? しかなかった。三者面談で目の前にいる担任の先生の言葉。隣に座っている母も黙っているので、同じ気持ちだろうとチラッと見やると、なんと泣いていた。家に帰ってからも母は、「あの先生だけよ、あんたのこと、わかっとるのは」とまたウルウルしていた。意味がわからない。 「がめつくなれ」とは、標準語風に言えば「積極的に」の意味。もっと汚く言えば、「人を蹴落とすぐら […]

娘よ、年齢に自由であれ、選択に幸せであれ!

別お題「『選択』と『年齢』」 Sponsored by SK-II   理想の30歳は、母だった。   結婚して、専業主婦になって、子どもが二人くらいいて、それなりの生活をしている。ほわーんとではあるが、日曜日の朝に母が焼いてくれた、ふわふわのパンケーキのように甘くて、やわらかくて、幸せな感じ。   きっと、どうやったって、そうなるだろうと思ってた。だけど、現実の30 […]

やっぱり私、好きです! もうガマンしない、あなたのこと。

男女がてをつなぐ画像

「なに、飲む?」と聞かれて、「もちろん、ビールです!」と即答できるわけもなく。なんせここは、義理の妹の旦那さんの実家だから。京都で旅館をしているそこは、100年近く前からあるのだそう。身内だけの改装記念パーティに呼ばれた。結婚してはじめて、本物の京都の味を知ったのもここだった。こんな人たちと親戚になれたなんて、関西人になれた気がして福岡の両親にも喜んで話した。よく考えたら、私たち夫婦は呼ばれなくて […]

本当のことは誰も言ってくれない。好きだけじゃダメなのね。

こんなはずじゃなかった……。 正直な気持ち。でも誰にも言えない。だって、望んで、望んで、病院にも通って産まれてきた子だもん。 「お母さんしかダメな時期がくるよ。きついよー」 「マジで何もできんよ」 育児には覚悟が必要だ。産んでからが大変だ。先輩ママたちのアドバイスは嘘だとは思わなかったけど、自分には半分くらいしか関係ないと思ってた。むしろ、そういうママたちを覚めた目で見ていた。だって、わたし、子ど […]

やっと開放されたと思ったのが間違いでした。社会で生きぬくことを思い知らされた日

「ダメ!」   ハイハイする娘の前に立ちはだかり、にらみつける男の子。言葉がわからない娘は、きょとんと見上げるだけで動こうとしない。私は「ごめんね!」と言って、さっと娘を抱き上げた。   ここはイオンモールの子ども遊びスペース。抱き上げた娘の下には、丸くかたどられたクッションのようなものがあって、それが飛び石のよう八つくらい並んでいる。   歩ける子どもたちは、ぴょん […]

ありのままの自分なんて、いない。そろそろ、目を覚まそうと思う。

「……完璧主義なんですよね」     テレビを見ていて固まった。もっと優しい言葉を待っていたのに。相談した本人も、「あ、そうかも……」と納得しようとしていたけれど、目が笑っていなかった。 テレビで、最近結婚したモデルさんがスピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんに悩み相談をしていた。幸せそうで、なんの悩みもないように見えるのに、「人前で自然体でいられない」との相談。それに対して […]

見えない未来は、びりびりの本から作られる

「あ! なにこれ!」 仕事から帰ってきた夫の目の前にあったのは、ぼろぼろになった私の文庫本だった。モノを大切にする夫には、信じられない光景……であることはわかっていた。だからあえて私はすぐ目に付くカウンターキッチンの上にそれを置いていた。予想どおりの反応に、予定どおりの答えをかえす。 「うん、ともちんがすきでね、それ」 もうすぐ9ヶ月になる娘のともちん。近ごろ、私が手に持っているものが大好き。とも […]