どうにもならなさそうな夫婦のミゾを、どうにかしたい夫婦の話。

今日が夫の誕生日だということはもちろん覚えていて、忘れているのではないけれど、忘れるほど忙しいという言い訳もできる。 それは私が今、一歳の娘を育てているから。しかもはじめて。何もかもはじめて。夫の誕生日は40回目なんだか […]

叶えるつもりのない夢なら、いくらでも。

もうキャーキャー騒ぐほどではなくなったけど、今でもあの目に見つめられると見透かされているようでドキッとする。 キムタクが好きだと言いはじめたのは、高校生くらいの頃からで、とにかくカッコつけて、ワザとらしく髪をかきあげるよ […]

愛なんて、もう意味ないと思ってた。

もう限界だった。娘の鼻水がとまらなくて、夜中に何度も起きる日が1週間も続いていた。夫が休みになる日を待っていたのに、せっかくの土曜の夜に夫は友達との鍋パーティに行ってしまった。怒りがおさまらなくて、そのハライセに次の日は […]

目の前におる人の心をつかめ。おじいちゃんが死んでやっとわかった。

「近くに寄ったら、顔くらいださんか」 「刺身の花は、飾りやない。しょうゆに散らさんか」 「トイレットペーパーは三角に折らんか」 あーいやだいやだ。おじいちゃんの小言は聞きたくない。めんどくさい。そんなことしなくても、生き […]

それは何度でも、目の前にやってくる。

書く人になりたいとはじめて思ったのは、たしか大学三年生の頃だった。     就職先も決まっていなくて、自分がなりたいものも自信を持って言えない。当時、一番おなじ時間を過ごしていた友達が半年ぶりくらいに […]

亡くなった人が降りてきているとおもうのは、おこがましいですか

失礼ながら、彼女の訃報により彼女を知った。彼女を慕う作家さんが投稿していたのを見たからだ。「そんな人がいたんだ」と、その時は軽く思っただけだった。   去年の11月。ちょうど私は出産後1ヶ月で精神的にも体力的に […]