ね、わたし、すごいでしょ?

大きな声では言えないけれど、私は早稲田大学を出た、っていうか大きな声で言いたいからがんばったんだよね。内申点が4.6か4.7くらいだったから、学年で二人くらいしか取れない指定校推薦の枠をかっさらったんだ。

ね、すごいでしょ? すごいでしょ? すごいでしょ????

でさ、でさ。「能ある鷹は爪を隠す」っていうことわざがカッコいいって思ってたし、すごいでしょアピールしたら嫌われるから、

気づいてよ、気づいてよ、っていうか気づくよね? 私、こんなにすごいんだから。気づかないあんたは結構バカだよね。

って思ってた。

ずっと。ずーーーっとね。

ずーーーーーーーっと、ずーーーーーーーーっと。

でさ、でさ、いつもイラついてた。

だって、いつも脳ある鷹に見せなきゃいけないから、すごいことをしなきゃいけないし、かつ、アピールしないように身を低くしてなきゃいけないから、鷹なのにずっと低空飛行してる感じ。

ほら、見てよ、こんなに私の羽すごいんだよ、びゅんびゅんスピード上げて、あそこまで行けるんだよ(きっと)、ねぇ、そう見えるでしょ?

でもね、爪は隠さなきゃいけないから見せられないの。だから、感じて。想像して。私はすごいってこと。

ほら、だって、こんなに羽、すごいよ、とりあえず上に飛んで見せようか? ほら、ほら、見えた?

あー、疲れた。

やーめた。

おしまい。