東京は私にとって

東京は私にとって、ドラマの世界、のはずだった。あそこに行けば、ドラマのような男と女の世界があるんだって。あそこに行きさえすれば。

ね。笑える。あるわけないでしょ。実家の窓から見える空と山と家の屋根がどんなに気持ちよかったか。ひとり暮らしの窓の外は、古びたアパートの廊下で、かろうじて向こうのほうに新宿があるんだと思うことで気持ちを保った。

両親が無理して出してくれる15万円の生活費と新築のワンルーム。誰かにとってはドラマよりも夢の世界なはずなのに、6.5畳の部屋に私以外誰もいないことの寂しさと現実を初日からいきなり突きつけられて、夢の世界はそこに「ある」ものじゃないと絶望したよね。

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