虹色のフリューゲル

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飛行機雲はよくみるけれど、虹ってあんまり見ない。見えない、のかな。虹をよく見る人に憧れていて、昨日も友達が空が虹色に見える、気のせいかな、と言っていて、そのとき私は京都を空から見下ろしていた。

友人よりも明らかにリア充な場所にいるのに、虹が見えない私にはまだ何かが足りないんだろうかと思ったりする。不穏な気持ちを大きくしたくなくてSNSに返信するのを我慢して、娘と旦那さんの声に集中した。

帰り道、もう紅葉も見えなくなったところで、「なんでこんな広い場所があるんやろなー」と旦那さんが昔から思っていたような感じで言った。常寂光寺、ここは嵐山駅から車で5分ほど走ったところ。大津出身の旦那さんは小学生の授業の一環で、このあたりを一度歩いたことがあるらしい。一軒家と小学校と団地と寺が隣同士仲良く並んでいる中に、それはどーんと幅を効かせて誰にも陣地を奪わせないぞとジャイアンみたいに威嚇しているようにも見えた。

広くて何もない土地。あたりは少しずつくらくなっているのに、なぜか明るい。何もない広い土地だからがんばらなくてもそこには大きく夕陽があたっているのだった。

そのおかげで、私も首をあげなくても虹色が見えた。

虹を教えてくれた友人に送ったら、「まっすぐだね」と帰ってきた。私と似ているようでいつも違う感覚を返してくれる。たしかに、まっすぐ何かに続いているように見える。

毎週月曜日に更新される週間占いで、天秤座は「新しい空を見たい」と言い当てられた。「会社に毎日出勤するのも、もう飽きた」とランチの時に15歳くらい年が離れている後輩に言ったら、「森中さんのそういうところが好きです」と笑ってもらった。

自分でもよくわかってる。いや、自分が一番よくわかってると言いたい。私に周期的にやってくる今とは違う景色が見たくなる衝動は、けっして衝動ではなく、周りから見たら衝動に見えるだけで、私にとっては少しずつ積み上げてきたピラミッドが完成してきたようなもんで、なんの後ろ髪も引かれず、やり切った爽快感と周りへの感謝で、すがすがしく新しい目的を探す。

そこに一歩踏み出すと決めたとたん、背景はガラッと切り替わりまるで映画の上映担当者がフィルムを間違えてたんじゃないかと思うくらい。でもすぐにわかる。それは心地よく、私の望んでいた、何度も夢見た場所だったと。

そこへの行き方はあなたしか知らない。私もも忘れていた。虹色のフリューゲルをまとっていたことを。

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