ビールとコーヒーが好きな話。

ビールとコーヒーが好きだ。

さっき、一息つこうと電子レンジから出した缶コーヒーをあたためたマグカップの中のコーヒーがぶくぶく泡を立てているのを見て思った。

旦那さんのいない土曜日に2歳になったばかりの娘と二人。寒い時期だけど日差しが暖かかったから、予定を変えて出かけようといそいそと準備する。娘がいなければ昼まで寝たいよぉという体の声に、昼になったらね、あと2、3時間ガマンして、と言い聞かせて、リビングの床と壁にこびりついた汚れを落とすのとトイレ掃除を済ませた。

「ポテトが食べたい」と娘が珍しくいいことを言うので、わかった、じゃあハンバーガーを買いに行こうとふらっとでかける予定だったイオンに目的ができて、俄然やる気になった。それなのに30分後、「やっぱり外には行かない」と着替えるのを拒否。

私は休日なのに珍しく化粧をしてパジャマもぬいでいるのに。3度、再チャレンジしたけれど、娘の意思は固かった。仕方なく冷蔵庫と食糧庫にあったサトウのごはん、納豆、たまご、そうめんを二人で分けて昼ごはんにした。

食後に「アイスが食べたい」と珍しくデザートのタイミングでアイスをせがむ娘。いつもは晩ごはんの前とか寝る前とか、今じゃないタイミングでしぶしぶ渡されるおいしいアイスも、タイミングさえ間違えなければ正しい食べ物として娘に渡される。

3日前に娘が食べかけて二度と娘の口に入ることはないアイスの残骸を私も手に持ち、撮りだめていたお笑いでも見ようと5分くらい流していたら、左側で何かが動く。娘がアイスの棒に一口だけ残したまま、椅子に座って上半身をぐらぐら揺らしていた。

チャンスの神様はいつも思いがけない。

娘がキライとか家族なんていらないとか、そんなつもりはないのに、やっぱり一人の時間がないと私は書けないし、何のために生きているのかわからなくなる。独りぼっちがさみしすぎて結婚したはずなのに、贅沢もいいもんだけど。

せっかく神様がくれた一人の時間を満喫するために欠かせないのは、コーヒーとペン。電子レンジで温めている間に、スマホのインスタグラムの自分の投稿を見ていたら、ぬるい色というか、ピントはずれてないのにぼやけた色というか、薄い色が多いことに気づいて、なんか笑えた。

小物やファッションはカラフルなものが好きで、つい3週間くらい前まではカラフルで埋め尽くされていたのに、あの日を境に私はぬるめのものが好きになったのかな。

38年生きてきて、何が好きなのか、何をしたいのかと質問されるのが一番嫌だった。時間も忘れて熱中してきたものなんてなくて、履歴書の趣味の欄になるといつも手がとまるの自分も嫌だった。本は読むけれど、読書と書くのも違う。だからといって、手芸とかダンスとかサーフィンとか趣味らしい趣味なんて、今もない。

ただ、さっきね、コーヒーの温度はすごく気になった。600ワットで1分半あたためれば、常温のお茶がいつもいい感じで熱くなるので、コーヒーも同じように温めたのだけど、飲んだらまだぬるい感じがして、もう一度同じように温めたら、今度は沸騰してしまった。ぷつぷつ蒸発しているコーヒーなんて初めてみたから、マグカップに顔を近づけて、水蒸気を浴びてみたけれど、やっぱりちょうどよく温められなかったことにすこしがっかりだ。

そうか、私ってコーヒー好きなんだ、とあらためて感じてうれしくなったら、そういえばビールも好きやんって。

熱いコーヒーと冷たいビール。次にどこかで履歴書を書く機会があったら、絶対にそう書こう。もうこの年だし、多少ふざけてもいいよね。だって、やっぱり私はそれがすきだもん。前から好きだったのに、気づかなくてごめんね。さて、お昼寝しよ。

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