「それ、赤いセーター着ただけで、 経沢さんよりも目立つって思ってるってことやろ」
頭ではわからなかった。でも、ココロが反応した。本当のホントウのほんとーを言われたってことが。その場で私は、立ち上がって両手を上げて降参のポーズをした。
経沢さんは女性起業家。知る人ぞ知る、スマート、キレッキレのすばらしい人。そんな人に会うチャンスをゲットした私は、前日の夜、新調した赤いセーターを着ていくか、夫に聞いてみた。2年前の冬の話。
「ちょっと、ちゃうかな」
「だよね」
夫は予想通り、ちがうと言ってくれた。目立ちたいけど怖い。その気持ちを打ち消してもらえた私はグリーンのスカート、グレーのタートルネックと無難な服装で会場入り。そこには、鮮やかな格好をしてきている人たちもいたんだけど、「逆にダサいわ」「目立とうとするなんてかっこ悪い」と心の中でディスって気持ちを落ち着けた。
無難な服装の私は、見た目通りふつうな人としてうつったことだろう。目立とうとせず、周りをよく見てスマートな行動をすることがカッコいいと思っていた。
無難に立ち振る舞うことに疲れて、その夜は爆睡だった。翌朝、娘を見ていてくれた夫にお礼を言いながら、「行ってよかった」「キンチョーしたけれど、勇気を出して発言してよかった」などと経沢さんや起業を目指す女性たちに会えた感想を胸に終わった、はずだった。
それから3ヵ月後、そのセミナーをきっかけに知り合った友人の自己紹介をライティングしたのがきっかけで、超有名カウンセラーさんに直接会うチャンスに恵まれた。
打ち上げ的な場で、流れは覚えていないけど、私があの日、着て行かなかった赤いセーターの話になった。なぜか急にムキになって、「だって、経沢さんより目立ったらいけないと思って!」と友人に向かって言ったら、遠くにいたはずの心屋仁之助さんが、さらっとこう言った。
「それ、赤いセーターを着ただけで、 経沢さんよりも目立つって思ってるってことやんか」
打ち上げでワイワイ騒ぐ声が、その瞬間だけサッと引いたように仁之助さんの言葉が響いた。
そう、私は目立ちたかった。
目立ちたくて、目立ちたくて、自分のことを目立つに値する人間だと思っているから、それを隠すために無難な格好をしていた。だって、出る杭は打たれるもん。だけど、本当は目立ちたいから、目立っている人が羨ましいから心の中でディスって、目立たちたい気持ちを抑えていた。
なんて、コント。なんて、おちゃらけ。
打ち上げの帰り道、言葉の真の意味に友人と笑い転げながら歩いた、あの道は忘れない。
あの日、見つけた私の気持ち。
「私を見て」
今日も2歳8ヶ月の娘が言う。
「お母さん、見てー」
「お母さん、見てー」
とってもかわいい声で。
お父さんに高い高いされたところを、キッキンに立つ私にも見て欲しくて、目が合うまで何度も言う。目があって笑いかけても、また言う。
「お母さん、見てー」
本能なんだと思う。
誰かに見てほしい。
日常を指の動きだけで軽く公開できるようになったのは、社会人になってくらいだったかな。かたくなにフェイスブックをしなかったのも、今ですら気分を軽く投稿することにブレーキをかけるのも、
「私を見て」が恥ずかしいことだと思ってるから。
どうしてなんだろう。
理由はもう探さない。
これだ、と思って旦那さんに伝えたら、こう言われたんだ。
「あなたは八方美人でもないし、いい人でもないよ」
もう、笑うしかない。悪目立ちしないように、人に気を遣ってきたつもりなのに、八方美人にもなれてないし、いい人でもないなんて。
ほんと、笑えちゃって。
「私を見て」がゲスいんなら、ゲスい私が本当なんだよ。
本能なんだよ。
子どものままの気持ちで大人になったって言ったら、カッコいいかな。
それなら、それでいいさ、だからさ、本能を止めるほうがおかしいんだよって、自分に言ってあげる。
本当は誰よりも目立ちたい。
私はすごいんだ。
たとえ誰かが主役の会であっても、目立ちたい。
自分よりもできないヤツが自分を差し置いて表舞台に立っているのが許せない。
ココロのブレーキをはずしたら、とめどなくでてくるのはゲスい言葉たち。
これが私の本音。
私、ゲスいやつ(笑)

動画で話している「悩みネタ」も、けっこう笑える自作自演で。メルマガ登録の方にだけ、公開しよっかなって。よろぴこー

地球の色♡
他にもいろいろ動画撮ってるからみてねー♡娘を迎えに行く前にササっと撮ってるから3分で見れるよー