「会いたい」とつぶやいたら、足元にきてくれた彼女の話。

昨日から今日にかけての奇跡を、どこまででも過去に遡って話していいよって言われたら、生まれたころまで戻るんじゃないかな。

昨日、仕事のお昼休憩に地鶏を食べに行ったのね。窓ガラスにかかる格子からもれる光が店内を明るく照らす和風のお店。お昼時なのに人はまばらで、一人で行くからいつもカウンター。おすすめのチキン南蛮定食を頼むつもりだったのに、「週替わりは鶏のしょうが焼きです」って右後ろから声がして、「しょうが焼き…じゃあそれにします」って言ってた。

見るのも食べるのもはじめての鶏のしょうが焼きは、あぁやっぱり私は鶏肉がすきなんだと地元の福岡の焼き鳥をなつかしんだり、高校生くらいからフクロウがひそかに好きだったことを思い出させてくれて、勢いのままにフェイスブックに「鳥すき投稿」をした。

2年前に行ったフクロウカフェで頭の上に乗せたり、あとから見返した写真の中のフクロウと自分が姉妹みたいに見えたことを思い出して、「あー、また幸運のフクロウに会いたいなー」ってほんとにただの気持ちを、ただなんとなく書きたくて。

そしたらさ、

そしたらさって、偶然フクロウに会うなんてことは考えてもいなくて、勢いでした投稿の内容は半分くらい忘れていて、次の日(今朝だけど)会社の最寄り駅の改札を出て、いつもはスタバかセブンイレブンでコーヒーを買うんだけど、今日は別のところに行ってみたくて地下道からもつながってるファッションビルに向かってみたのね。

9時前だから開いてないかなと思ったけれど、入口近くのパン屋さんが営業していて「持って帰れますか?」って聞いたら、店員の女の子がすごくいい感じで笑って接客してくれた。冷たいグレープフルーツジュースも新発売の伏見あんぱんもおいしくて、気分のいい午前を過ごした。

お昼の時間になって、パスタが食べたくなった。赤っぽいオレンジ色のパスタが浮かんだ。いつもとは違う方向に歩く。足が向かったのは朝と同じ、あのビルだった。そこの3階には行きつけのカフェがある。だけどメニューにパスタがなかった。

やっぱり今朝と同じ店に行こう。エスカレーターを降りて、くるっと右に振り返ったら足元に黄色いフクロウがいた。え。ふくろう? 近づくときに昨日の投稿を思い出していた。制服を着たわたしは店員さんから見たら、通りすがりのOL。

どうしてこんなところにフクロウがいるのか。しかもたくさん。カラフルに描かれたどこかメッセージを感じさせるフクロウたち。30羽くらいいるのに、同じものはいない。気になる。だけど店員さんは話しかけてこない。

5分くらいたって、とりあえずこの場は立ち去ろうかなと思っていたところに、「これ、今月の限定なんです」と話しかけられた。どゆこと? 「ニューヨークのアーティストさんで、今月限定でここにオープンしているんです。昨日はご本人がここに来られてましたよ」えーーーーー。会いたかったーーーー。

限定、アーティスト、ニューヨーク、近くにいる、そしてフクロウ。もう足が動くはずもない。連れて帰ろう。フクロウカフェにいるフクロウは、生肉を食べるから連れて帰れなかった。じっとしているフクロウは生きていても、描かれていても同じかも。今、横にいるんだけど、そんな気がする。

30羽の中からひとつだけ選ぶのはしのびなかったけれど、最初から気になっている子がいた。ほかのフクロウとはちがう。半分人間みたいだった。後ろに名前と性質が書かれてあって、物語、筆とあったから惹かれていた。

はじめて買うフクロウだから、もっとフクロウらしいものがいいのかもと迷ったけれど、どうしても気になった。だから彼女に決めた。決めたら気づいた。横に置いてあるポストカードもメッセージカードもぜんぶ、彼女だった。ほかにもたくさんいる仲間たちではなく、彼女が選ばれてた。レジにならんでいる間、バックにもなっている彼女をみて、やっぱり選んで正解だったと思った。

会いたいと思った翌日に会えた。

奇跡の話はつづく。

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