「おかあさんは、なににする?」
冬休みにはいった娘と手をつなぎ、2週間後に空気を吸う予定の娘をおなかに抱えて、マンションを出ようとすると、エントランスで娘が言った。
私のクリスマスプレゼントはどうするのか、と。
すこし前にも、そんなこと聞かれたけれど本当に思いつかなくて、そりゃCHANELのクリームとか? リップとか? 香水とか? あるけど? 娘に聞かれてそれってさ。言えばよかったのかな。
なんか俗っぽくてイヤだった。
俗っぽいってねぇ(言い方)だけどなんか、ちがうって思ったのよね。
夜になって、また手帳にも聞かれた。「サンタさんからクリスマスプレゼントをもらえるとして、何が欲しいですか?」
「赤ちゃんの水頭症が治って、フツーの子と同じように生活できること」
私が欲しいプレゼントは、それです。
健康第一。
健康な体。
当たり前じゃないと気づけることに感謝しています。そんな願いをするなんて、と昔は思っていた。もっと大きな、もっと夢のある、もっとすごい何かを、と。
そんな願いを捨てたわけじゃないし、もちろん横にいつでもあるけれど、本当に欲しいものは何かと聞かれたらやっぱりそうなんだって。
そして娘には明日、お菓子を買ってもらうことにした。じぶんの財布からお金を出したいみたいなんだ。「ともちゃんが買ってあげるから」と言ってた。お母さんが欲しいものをいっしょに買って、いっしょに食べることがすごくうれしいんだと最近、知った。
子どもの言うことだからと流さず、親はやってあげてなんぼ、なんて押し付けず、素直に受け取りたい。こんな時間も、当たり前じゃないもんね。
夫にもその話をしたら、「そうしよう」と。
ありがとう。
子どもたち。
ありがとう。
家族。